最近“月亭方正”という名前で落語に取り組んでいる山崎邦正さん。「月亭方正十番勝負」と名うって6月から毎月らくごカフェにて自分の会を開いています。今回はTVで見る山崎邦正さんとはひと味違う、月亭方正さんにお話を伺ってきました。
Q.月亭方正さんが落語を始めようと思ったきっかけはなんですか?
2年位前ですか、いや3年位前かな、40歳になる前に悩んだんですよ。このままTVに出るのは面白くないなぁと。もぉ20年になるんですけど、この世界。だからTVでなくホンマにお客さんを笑わせる芸人になりたいなって。ほんで新喜劇をやろうと思ったんですよ。座長になろう思って、いろんな新喜劇を見たりして、さぁ、これやるぞと、いざやろうと思ったら練習ができない。一人やったら稽古できへんから。どうしようかなって悩んでいる時に東野さんに相談したんです。ほな「落語、面白いよぉ」っていう事で落語を聞き出したんですね。それで枝雀師匠の高津の富を初めて聞いて。あれ?めちゃめちゃ面白いなーって。そっからウワァーって聞いて、いろんな人のをウワァーって聞いて、これはオモロいって。一人で練習もガンガンできるし、これだなって。
今、月亭方正の名前で出ているではないですか。月亭方正になったいきさつは?
古典をとりあえずやりたいと。古典をやる時に、噺家さんの財産やと思ってたから、勝手にやるのはあかんやろなって。誰か噺家さんの知り合いはおらへんか?って考えてみたけどいないんですよ。どうしようかなって思った時にパッて思い浮かんだのが月亭八光で。そん時、八光とめっちゃ遊んでたから。あ、こいつ噺家やんって(笑)。相談したんですよ。ほな八光がスグくれるって「月亭」を。いやや、それはアカンやろって。一度お父さんに会わせてくれって頼んで、去年の5月に毎月八方師匠がやってる月亭会に出させてもらって。それが一発目で。ほんで一発目の時に八方師匠に「名前を下さい」って言ったら「ええよ」って(笑)。
Q.今、稽古はどの位やってますか?
正直ね、バラバラなんです。どれ位かなぁ?例えばね、今日の夜にTVの仕事が入ってる場合とか稽古できないんですよ。稽古してても、夜のTVの仕事のこととか考えてもうて全然身が入られへんから。一番稽古できるのが今、事務所で笑福亭瓶二君と笑福亭笑助君と鈴々舎やえ馬君と4人でやってる勉強会があるんですけど、それが一番稽古できる時になってて。どれくらいやろ?それでも一日二時間もやってないのかな?でも落語のことはずぅ~っと考えていますね。新幹線の中とか、噺を覚えたり、パソコンで噺を自分なりに再構築したりするのに丁度ええんです。でも、やっぱりプレッシャーっていうか、この日にせなあかんでって言うのがあると覚えられますね。この日にこのネタをせなあかんでって時の方が。
Q.今までで最長の稽古時間は一日どの位でした?
いっちばんホンマにやったのは一本目の阿弥陀池の時。あん時は僕、めちゃくちゃやったんですよ。せやけどね阿弥陀池一本やったら汗ダラダラになって、もぉしんどいんですよ、単純に。ほんで宮戸川も正直しんどいんですよ、汗ダラダラになって。だからね、そんなに出来ない体力的に。
家でも稽古はするんですか?
阿弥陀池は、朝やって昼やって夕方やってって1日3回くらい、ビデオカメラの前で、よろしくお願いしますってマクラ言ってから阿弥陀池通しでやってましたね。通し終わったら細かいところをいじったり。でも、まぁ3時間くらいかなぁ、最長でも。
Q.稽古の時は家の人はシャットアウトですか?
そりゃ居ない時です。(子供が)幼稚園に行ってる時とか、誰か居たら出来んから。でも今、事務所でやってる稽古が、すっごい勉強になってて。一人で練習しても緊張しないじゃないですか。ほんで止めたい時に止めれるけど、みんなが見てたらそうもいかん。3人が前で見てたら緊張するでしょ、一応。これが(一人だと)なっかなか出来んから。逆に客前のほうが楽やわぁっていう瞬間もありますね。かなり鍛えられてるなぁって。
Q.事務所内にいい練習部屋があって良かったですね
ホンマですわ。あそこは、落語仲間いろいろ集めてやないけど、何人かで出来たらなぁってホンマに思いますねぇ。言いたいこと言うし、遠慮せずに。あとネタも作るし。ここをこうしたほうがええとか。
Q.ちゃんとアドバイスしてくれる感じなんですね
今日の宮戸川のくすぐりも、どことは言わへんけど、瓶二君が作ったとこありますよ。…でも、それも僕が作ったことにしておきますけど(笑)。言われて嫌やと思うこともけっこう言いますからね。やえ馬君にしても、まばたきが(気が)散るねんなって。そんなん言うたったら可哀相じゃないですか、癖やから。「すいません。僕ドライアイなんで」と。癖も、そりゃ解るけど、人前に出てお金をもらう職業に決めたんなら直していこうって言いますから。普通、言われへんと思うなぁ、そんなこと。文左右衛門師匠がちょうど(「東京かわら版」に)書いてたけど「稽古が仕事で、舞台が集金だ」って。ホンマそういう気持ちでやれたらなって思います。
Q.これからやっていく中で一番やりたい噺はなんですか?
一番やりたい噺は「ねずみ穴」。大ネタですねん。林家三平師匠と新幹線の中でたまたま一緒になった時に聞いたら、今、正蔵師匠が取り組んでて「すごい大変や」言うてはりましたけど、それでもねずみ穴をめっちゃやりたくて。前に志の輔師匠のを聞いて、富山弁で江戸に来たやつをやってたんです。それを関西に移さなあかんから、その方言が難しくて、方言指導の人を探したんです。それが、千鳥。千鳥っていう漫才コンビの岡山弁、備前から大阪に来たっていう設定にできるなって。
Q.着々とやりたい噺の準備はできている感じですね
他にもいっぱいありますよ、やりたいの。今(持ちネタ)4本で、次覚えてるのが「一文笛」。このネタは小朝師匠に言われたんですよ。三平師匠に会った時に「今、小朝師匠から連絡がありまして、ぜひ一文笛をやって下さいと」。でも僕、知らなくて、一文笛。ほんで聞いたら、これはええなーって思って。
Q.この噺は泣かせる系じゃないですか。
実は、僕ね、早く人情噺をやりたいんですよ。正直、上方の人情噺あまり聞いたことがなくて。上方の人情噺って…、例えば「子は鎹」とか、ちょっと笑わしはるじゃないですか。僕それ一切やらんとこ思って。一切っていうか、まぁネタの中でクスっていうのはもちろんあるけど、笑わしにはかからんとこ思って。結局は、ねずみ穴に繋がってくと思うんですよ。一文笛がなんか入門みたいな気がして、人情噺の。来月はちと違うやつをやって、8月にココ(らくごカフェ)でかけようと思ってます。
Q.では最後に、このページを見ている読者にメッセージをお願いします。
僕ね、目標を決めようと思って。目標は武道館!それくらいの目標を持ってた方がええなって思って。何年前やったかな?もぉ10何年前、松本さんが一人で武道館をやった時、見に行かせて頂いて。ホンマ涙出て、かっこええなーって思って。最近の目標ですけど、武道館。どうなるか解らんけど、それを夢にしていこうかな。
Q.武道館に高座、ぜひ叶えて欲しいと思います。武道館で方正さんって、楽しみです。
まぁ、でもね、それくらい目標持ってたら、そこまで行くのが楽かなぁって。俺、武道館でやろう思ってるのに、なんでこんなところで緊張してんねんって方が楽かなって。
Q.素敵な目標だと思います。
こんな人、他にいないですか?
Q.いないです(笑)。
インタビューアー:まちゅくみ
落語を聞き始めて2年ちょっとなのに、アホみたいに落語にハマっている。
週4~5回は落語を聞きに行き、毎日打上がっている。
打ち上げでココだけの話をたくさん聞いてるのに、寝ておきるとほとんど忘れている、ニワトリ並の脳みその人間である。
落語会や寄席によく出没しているので、見かけたら声をかけると喜ぶ。かなり喜ぶと思う。よろしくお願いします。
月亭方正として、これから大きくなってく山崎邦正さんを見に来ませんか。
「月亭方正十番勝負 その弐」
前売2000円 当日2200円
ゲスト:立川志ら乃
予約:らくごカフェにてrakugocafe@hotmail.co.jp
電話03-6268-9818(日・祝除く11時~18時まで)



















